GanganSearch > 企画 > 作家インタビュー > 井田ヒロト先生
■作家インタビュー > 井田ヒロト先生
 


■第17回 井田ヒロト先生

当サイト初の2回目インタビュー。「戦線スパイクヒルズ」の完結記念といたしまして、特別インタビューを行わせていただきました。 連載の裏話や、次回作の情報などボリューム満点でお届けいたします!

■プロフィール

■名前 井田ヒロト(イダヒロト)

■誕生日 不明

■出身地 神奈川県

■好きな作家 皆川亮ニ

■ホームページ 井田板

■代表作 戦線スパイクヒルズ / ドラゴンリバイブ / 東大を出たけれど /

■メッセージイラスト

クリックで拡大

特別にメッセージイラストを頂きました!クリックで拡大出来ます。

■インタビュー本文

kenta999

はい、今回はいつも事あるごとに企画などにご協力を頂いている井田ヒロト先生にまたまたインタビューです。同じ方に2回インタビューするのは初めてなのですが・・・。先日最終回を迎えた戦線スパイクヒルズの完結記念と銘打ってインタビューをさせていただこうと思います。

井田先生、宜しくお願いします。

井田先生

どうも皆さんお久しぶりです。

kenta999

では、とりあえず近況から伺いましょうか。

スパヒルの連載が終了してはや2ヶ月が経ちます。漫画家の方って次の連載までの期間は何をされてるんでしょう?

井田先生

何も仕事をしていない期間があるプロの漫画家の方というのは、あまりいらっしゃらないのかもしれませんが…漫画家をやめる気が無いのなら、次の読み切り或いは連載作品の準備をされるんだろうと思います。

…自分の場合は、なんだかやってもやっても形にならないので、いきなり海に向かって走ったり、温泉に行ってみたりしています。

kenta999

なるほどー。次の作品の構想を考えつつ、休みを取って英気を養うわけですね。

海や温泉はどちらへ?

井田先生

湘南海岸とか、軽井沢とか伊香保温泉とか行きましたよ…。湘南海岸は、以前すぐ近くに住んでいたので懐かしかったです。

kenta999

湘南海岸ですか〜この時期はサーファーも多いですし、海産物も美味しい季節ですね。

何か食べました?

井田先生

サーファーは、行った時にはあまり見かけなかったなあ…。

記憶の中の湘南の海は「この海の水飲んだらヤバイ」と幼心に思うほど汚い海だったはずなのですが、今回行ってあまりの美しさに驚きました。

江ノ島の裏手の方にある茶屋で「クリーム豆腐」とかいうものをいただきました。名物なのかわからないけど。あと、湘南に行く目的の一つだった「しらすや」の生しらす丼を食べましたが…。

kenta999

…が?

井田先生

…あんなに生々しく「他の命を食らう」体験ってあまりしたことがなかったので、 なんかもう軽く気分が落ちました(笑)

kenta999

(笑)

いや、自分もその店にはいった事があるんですが美味しかったですよ〜。確かに無数の目が並んでる様子はあまり気持ちのいいものじゃないかもしれませんが(笑)

そういえば、最近担当さんが変わったと聞きましたけど・・・。

井田先生

(笑)

スパイクヒルズの最後数話はK崎さんという新しい担当さんとお仕事させていただきました。…今号のヤングガンガンの「すもも」の体育祭の順位で、男子を抑えて三位に食い込んでいる最強女子です(笑)

kenta999

女性担当さんとはっ・・・うらやましい限りです(笑)色々と気を使ってしまうこともありそうですけど。

では、近況はこのあたりにして先日連載の終了した「戦線スパイクヒルズ」についてのお話に行かせていただきたいと思います。まずは連載を終えての感想をお願いします。

井田先生

いやもう本当に、ただただ無事に着陸出来てよかったなあと…肩の荷が降りた思いでした。

原作のある作品を手がける時には、自分が手がけることで原作者さんに迷惑がかからないようにとすごい重圧感じながらやるので。失敗は許されないと思っているから…。

kenta999

ヤンガンメルマガでの連載後インタビューでは「これから感慨がジワジワと沸いてくるかも」と言ってましたが、2ヶ月たって沸いてきました?

井田先生

いや〜特に感慨みたいなものはないですね(笑)オリジナルだと、自分で作ったキャラなので必要以上に愛着があったり、心の友達みたいな存在になったりするのですが、やはり人様のところの大事なお子さん方ーーという意識が強いのかもしれません。

とにかく無事にお返しできてよかったなあと。そんな感じです。

kenta999

確かに原作の原田先生は連載前に「自分の娘を嫁に出す気分だ」と仰られてましたしね。私的には十分に娘さんを幸せにして上げられたように思いますよ。

ここでちょっとお聞きしたいのですが、元々スパヒルの原作である「平成トム・ソーヤー」との出会いはどんな感じだったんでしょうか?

井田先生

「平成トム・ソーヤー」をコミカライズする企画はずいぶん前からあったようで、2003年頃、まだ少年ガンガンで少年漫画を連載していた頃に当時の担当さん(現ヤングガンガン編集長)が「新創刊する雑誌でこれを漫画化する企画があるんだけど興味ある?」と単行本を送ってくださったのが出会いでした。

…原作者の原田さんの作品との初めての出会いは高校生の時だったのですが、17歳の時に高校の図書室で原田さんの著作「十七歳だった! !」を見つけて題名に惹かれてページをめくってみたことがありました。

kenta999

高校のころに出会った作家さんと将来仕事をすることになったと。

コミックスの1巻の帯には「一読した瞬間からマンガのイメージが沸いた」とありましたし、ある意味運命の出会いだったのかもしれませんね。

井田先生

…実はその台詞、言った覚えはないんですけどね(笑)

kenta999

あ、そうなんですか(笑)

井田先生

瞬間的に漫画のイメージが沸いたのは、多分その帯の文章を書いた当時の担当I橋さんでしょうね。かなり明確なビジョンを持っていらっしゃる方だったので、こちらとしては一緒に仕事はやり易かったですがね。

kenta999

確か、ドラリバのコミックスのプロフィールを鉄拳づくしにしたのもその方だったとか・・・(笑)

井田先生

プロフィールを鉄拳づくしにしたのは、ヤングガンガン編集長とI橋さんの共同作業ですよ(笑)

kenta999

数年後になって明かされる意外な真実(笑)こういった裏話を聞けるのは面白いですね。

では、初の原作付き連載だったわけですが、大変だったことなどはあったでしょうか?

井田先生

んなもん全部だよ(`;ω;´)

kenta999

全部!

井田先生

大変じゃなかったことなんてなかったように思います。…ヘタレですから

kenta999

いやー、でもきちんと最後まで書ききったわけですから!

井田先生

まあ、なんか当時は本気でしょっちゅう泣くわ鬱るわハゲるわ大変でしたが、本当に、さまざまな部分で勉強になったし、この仕事が無かったら今の自分は絶対いませんでした。ていうか、漫画家続けられなかったでしょうね。

あ、まだ続けられるかどうかは未知数か。

kenta999

転機となる作品であったと。

原作の原田先生とは作品を作るうえでどんなやりとりをされたりしました?

井田先生

自分の中で、連載中は原田さんと直接連絡を取り合ってはいけないと決めていたんですよ。

たまに、原田さんのほうから「次の展開について相談しようか」というありがたいご提案や、「今回の話し良かったよ」とメールで感想いただいたりはしたのですが。漫画は、小説と違って漫画家一人の独断で作品の筋を決められるわけではないのでなかなか…色々、漫画担当と原作者が接触持つと、創作活動をする上では弊害がある場合が多いと思っているんです。

kenta999

ほほう。巷に聞く原作付き連載だと一部の例外を除いて(「これが私の御主人様」のまっつー&椿あす先生とか、キバヤシとか)、原作と作画の交流はあまりないと聞いていましたが、概ね正しいようで。

井田先生

難しいと思いますね…多分、絵担当が、原作者と担当編集との板ばさみになってしまうんではないかと思います。

kenta999

一見、原作付きは話を考えなくて楽そうに見えますが、見えない部分の苦労が多いようですね・・・。

ではちょっと話題を変えて。スパヒルには原作の平成トムソーヤーには出てこないキャラ「泰典」が出てきましたが、彼を出した経緯や、出したことによる影響などのエピソードを教えてください。

井田先生

ぬう…。

明確なラスボスがいた方が物語が引き締まると思いましたし、「こういうキャラを入れたらどうだろう」という提案は、連載開始前にご挨拶に伺った時に原田さんからもあったんです。で、出すことに。

ただ、オリジナルキャラクターをぶっこんだことで、基本的に原田さんの色味でやっていた漫画のカラーが多少自分側の色になってしまったような気はしていまして、途中で何となく気付いてはいたんですがそれはもう回避の仕方がわかりませんでした…。

kenta999

いい意味で井田先生の味が出てたように思いましたよ。確かに倒すべきラスボスがいたことで話にも厚みが出たと思いますし。小説版を知ってる人でも先が解らなくなって楽しめたんじゃないでしょうか。

何より過去のチサトさんが出たのは良かったですね(笑)

井田先生

あれは我ながら最高でした。夏木マリが演じればいいのに…。

kenta999

夏木マリ(笑)ああやってキャラの過去を描くことで人物像にも説得力が出ますしね。確かに最高だったと思います。

今回の作品ですが、原作付きという他に「初の青年誌」だったわけですが。少年誌出身の井田先生ですが、違和感などはありましたか?

井田先生

いや…案外しっくりきました。

ヤングガンガンという雑誌自体が、普通のヤング誌よりは少年漫画の要素が強い雑誌のように思うので、それもあるのかと思いますが、読者層を今までよりも上の世代に設定することを労せずして受け入れられたことが、一応少年漫画家を志望してガンガンでデビューした人間としては悔しかったり(笑)

kenta999

確かにヤンガンは青年誌にしてはエロ描写も少なめですしね。青年誌としては異色な感じがありますよ。「ガンガンを読んで成長した世代」をターゲットにしてるんでしょう。自分とかまさにそれで(笑)

私見ですけど、今回の連載で心理描写などにかなりの変化が見られたと思うんですが、ご自分ではどう感じていますか?

井田先生

心理描写…?なんか変化ありましたか?

以前の連載作だと、心理描写はおろか登場人物バカばっかだったのでろくなモノローグもなかったと思ったのですが…。それに比べればそりゃ多少は…丁寧に描いてあるとは思うんですが。

kenta999

心理描写というか、画面の緊迫感とでもいいますかね。スリの瞬間の緊迫感とかスゴいな〜と感じましたよ。

井田先生

あ、それは嬉しい。スリのシーンは毎回ネームで相当時間を割きましたから…。

でもホント、スリなんてやっちゃいけませんよ!

kenta999

(笑)それは当然ですよ!

あとは青年誌ってことで少々エロ描写なども今回の作品には入りましたが・・・(笑)

井田先生

うーん(笑)もはやエロとも言えない位の品ですが…皆すごいですよね。エロ描写上手くて。

kenta999

あのシーンはノブオに嫉妬しながら読ませていただきましたよ(笑)

そんなわけでここまでスパヒルについて色々話を聞いてきましたが、連載お疲れ様でした!楽しい作品をありがとうございます。

では最後に今後の活動予定などを聞きたいのですが。

井田先生

11月に…ヤングガンガンに読み切り一本載ります。「侵入者」っていう変態ラブコメみたいなやつ。

kenta999

変態ラブコメ?

井田先生

なんか…自分で描いてても訳のわからない漫画なので、訳がわからないままに読んで煙に巻かれてもらえると嬉しいです。

kenta999

簡単にどんな感じの話なのか伺っても宜しいですか?

井田先生

「男がやったらシャレにならない変態行動でも、可愛い女の子で煮しめたらどうにかなるんじゃないか?」という発想のみで描かれた漫画です。

…同名の漫画を、大昔に投稿作として描いたことがあってそれが下敷きになってはいるのですが投稿作の方では、ラストに主な登場人物が全員死ぬというバッドエンドだったのでそこまで暗い話にはなっていないはずです。

kenta999

解ったような解らないような・・・(笑)

あと、25日にスパヒルの最終巻と同時に竹書房から麻雀漫画「東大を出たけれど」が発売になりますね。こちらはどういった作品なのでしょう?

井田先生

あ、ありがとうございます振っていただいて…。

新宿の雀荘で店員をされている、須田良規さんという方のコラムを漫画化したものです。「東大を出たけれど」という漫画を高卒が描く不思議。

kenta999

それを言っちゃあ(笑)

見所などは?

井田先生

ちょっと…「この漫画を見た女子がファンクラブを作って須田さんのところに押しかけたら面白い」という井田の個人的な策略のもとに、キャラの「須田」が相当女性受けしそうな感じになっていると思います(笑)

あ、もちろん、こちらが手を加えるまでも無く、ご本人も別に女性関係に不自由はしていらっしゃらない感じの方ですよ(笑)

kenta999

東大卒で女性関係に不自由しない麻雀打ち・・・なんとも非現実的(笑)そりゃ漫画になりますね。スパヒルと一緒に買わせていただこうと思います!2007年10月25日に2冊同時発売です〜皆さんも是非!

では、最後にファンの方々に向けて一言お願いします!

井田先生

漫画描いてなかったら生きてる価値がほとんどゼロになることに嫌になるほど気付く昨今です。寒いの大好きなので、これからの季節が一年のうちで唯一活動的になれるので、その間根つめて頑張ろうと思います。お見かけの際にはよろしくお願いします。

kenta999

本日はありがとう御座いました。

※このインタビューは2007年に収録いたしました。




Copyright (C) 2000-2017 by GanganSearch