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■第15回 大清水さち先生

92年から2001年まで9年間に渡って連載されたHFR(ヒューマンフォームロボット)コミック「TWIN SIGNAL」。 丁寧に描かれたキャラと、感情を持つロボットの葛藤が印象的な作品です。 私(kenta999)を含め、人間型ロボットの実現を目指す人たちに影響を与えた大清水先生へのインタビューです。

■プロフィール

■名前 大清水さち(オオシミズサチ)

■誕生日 12月28日

■出身地 北海道

■好きな作家 石ノ森章太郎

■ホームページ 無し

■代表作 TWIN SIGNAL / マリオノール・ゴーレム / オーベルジュろわぞぶりゅ /

■インタビュー本文

kenta999

さて、今回はあの「TWIN SIGNAL(以下、シグナル)」の作者である大清水さち先生へのインタビューです。

魅力的な人間型ロボットが多数登場する「シグナル」。その影響を受けてロボット工学の道に進んだ方も多いと聞きます。

かく言う私もその1人です。先日、大学の卒業研究を行う研究室への配属が決まったのですが、そこの研究内容はロボットの感覚器に関することでして。 こういった道に進んだことに関して、少なからずシグナルの影響はあると思います。

そういった意味で多くの影響を受けた大清水先生にインタビューが出来て光栄です。ありがとうございます。

では早速質問に・・・

大清水先生

その前に一つ宜しいですか?

こちらとしましては、kenta999さんの「ロボットの感覚器の研究をする研究室」に配属になったという、そちらのお話をうかがってみたいのですが(笑)

ツインシグナルという作品を書いていて、そういうお話を聞けることが本当にありがたくもありマンガ家をしていて良かったと心の底から嬉しく思います。お礼を言いたいのはこちらの方ですよ。

kenta999

はい、私が配属になったのはこちらの研究室なのですが。→http://〜(私の本名が記されている為、URLは伏せさせて頂きます)

ロボットにハサミやペンなどを見せてそれが何かを判別させる研究や、従来の0と1のような形式ではなく、人間がものを考えるのに近い形式でロボットに思考させる方法の研究などをしています。シグナルでいうとカシオペア博士の専門が近いでしょうか。

まだ感情をプログラミングするには至っていませんが、教授の究極的な目標は「人間に出来ることを全てロボットにも出来るようにする。それは可能なはず」だと語っていました。

大清水先生

サイト拝見させていただきました。

人間の動きを再現するロボットだけではなく、思考を再現させるのは面白いと思います。感情プログラミングはムリ!と断言してしまっている学者の方は多いので頑張って頂きたく思います。

TWIN SIGNALでは「思考できるロボット」は前提という形で描いておりましたが、もし思考できるロボットが現れる時代は、人間の持っている感情/思考というブラックボックスがが解明できる日なのかもしれませんね。

フィクションを描くマンガ家としては、もっとフィクションを掘り下げていかなければならない、と身が引き締まる思いです。

kenta999

確かに、現状としては感情プログラミングはSFの域を出ませんが、教授は「将来的には出来るはず」と言っていました。

順番的に、人間の思考のブラックボックスの解明と感情を持ったロボットのどっちが先になるかは解りませんが、生きているうちにその辺りのことが解明されればと思っています。むしろこちらから解明するくらいの勢いを持って行きたいですね。

では、質問の方に移らせていただきます。ここまで触れて来た通り、「TWIN SIGNAL」は人間型のロボットをテーマにした作品でしたが、その着想のきっかけや理由があれば教えてください。

大清水先生

TWIN SIGNALは私のデビュー作品が連載になったものです。 最初は特撮ノリでバリバリと思っておりましたが…いろいろあってああいう形になりました。

石ノ森(当時:石森)章太郎先生の作品が好きで、ロボットをテーマにマンガを描ければいいなと思ってましたが、まさかデビュー作になるとは思ってませんでした。

kenta999

シグナルは確か、フレッシュガンガン(当時のガンガン増刊、後のWING)での読切の好評を受けての本連載となった作品でしたね。特撮の影響があったとは気付きませんでした。でも初期の、いちいちポーズを決めたり、決め台詞を言うシグナルは今思うと特撮ヒーロー的かも知れません(笑)さっき、折角なので久々にOVA版「TWIN SIGNAL」を引っ張り出して見ていたんですが、決め台詞には特撮っぽい台詞が多いですね。

石ノ森先生というと、ロボットよりはサイボーグ・改造人間的なイメージが強いですが、ロボット作品も「キカイダー」などで手掛けられています。デビュー作から描きたいものが描けたと言うのは幸運でしたね。

ここからはレギュラーの質問に移ります。先生の子供の頃の夢は何でしたか?

大清水先生

マンガ家はもちろんでしたが、人形劇の人形操演する人になりたかったです。

kenta999

人形の操演者とはユニークな夢で。その、もう一つの夢が形になったのが「マリオノール・ゴーレム」ということでしょうか。失礼ながら読んだことは無いのですが、動く人形の話だったと記憶しています。

では、現実的に漫画家になるという道を目指すきっかけは何でしたか?

大清水先生

学生時代ご縁あって、島本和彦先生の仕事場にお邪魔できたことがありました。

それまでは漠然と「マンガ家になりたい」と思っておりましたが夢ではなく現実に「マンガを描くプロの現場」を見たことで、がんばれば/がんばらなくてはなれないのだ、と思えるようになりました。

kenta999

あの「炎の転校生」の島本先生ですか!どんな方かは想像するしかありませんが、漫画に燃え上がる魂を込めているイメージがあります。それはとても刺激になりそうな体験ですね。目指すきっかけとなるのも良く解ります。

ではその夢が現実となったわけですが、漫画家になって一番嬉しかったこと、良かったことは何ですか?

大清水先生

連載が終わった今でも、TWIN SIGNALを読んでロボットに興味を持ち、そういう道を選んだと言って下さる方がいらっしゃる事です。

kenta999

私もシグナルに影響を受けた1人ですが、そういった方は多いようですね。改めて素晴らしい作品を描いてくださり、ありがとうございます。

次の質問です。漫画を書く、または話を考える上で悩みの種は何ですか?

大清水先生

自分に話を描けるのか、面白く描けるのかといつでも悶々としております。

kenta999

いえいえ、ご謙遜を。今でもファンサイト数は多いですし、影響を受けた方も多いですから。連載が終わって大分経つのにこういった人が多いのは、多くの人に愛された作品である証拠だと思います。

では、漫画の話のネタはどこから浮かんできますか?

大清水先生

集中して考えている時に。

kenta999

さすが、真剣に漫画に立ち向かわれているのですね。

次に、尊敬する漫画家さんを教えてください。

大清水先生

たくさんいらっしゃいますが、その中でも一番は石ノ森章太郎先生です。

kenta999

冒頭でも触れられていましたが、やはり一番尊敬されていると。漫画だけではなく特撮にも大きな影響を残した方ですし、ある意味伝説の人物ですよね。

では、ご自分の作品で一番気に入っている作品は何か教えて下さい。また、その作品のセールスポイントもお願いします。

大清水先生

一番、というほど作品の量は描いていないのですが。長く描いていたので「TWIN SIGNAL」は別格ではあります。

セールスポイントは…人型ロボットの群像劇?でしょうか。

kenta999

やはり先生ご自身もシグナルがお気に入りなのですね。OVAやドラマCDにもなりましたし、ファンの心に深く根付いている作品だと思います。

群像劇とは「複数の物語が同時進行して、相互に影響を与え合いながら進行する物語」のことですが、リュケイオン編はまさにそういった形で実にスリリングな展開でしたね。その中では特に、カルマと正信のエピソードが印象に残っています。

次の質問です。愛用している仕事道具などがありましたら教えて下さい。

大清水先生

筆圧が弱いので、重さのある鉄製のペンホルダーが手放せません。

kenta999

見たことは無いですが、そういったペンホルダーがあるのですね。先生特有の繊細な線を生み出す原動力はこれだったと。

では、マイブーム等ありましたら教えてください。

大清水先生

数字パズルの数独です。寝る前に数問やってます。

kenta999

流行ってますね、数独。電車などでもやっている人を結構見かけます。ちょっと見たことがあるんですが、アレは頭に効きそうですね。

最近の「事件」や「報告」を教えてください。

大清水先生

うちの複合プリンターが写真サイズのプリントが出来ないと判ったこと。

全てのプリンターは写真が刷れると思い込んでいました。説明書を読むって大事です。

kenta999

私は逆に、とりあえずレポートの印刷が出来ればと思ってプリンターを買ったら写真も印刷が出来たりしました。説明書を読むまでは同じくそこまで出来るとは知りませんでしたね。ただインク代がかなり掛かる機種ということが後から判明して困ってます(笑)

ではこれが最後の質問となります。これから漫画家を目指す人たちに一言!

大清水先生

あるパティシエの方の言葉ですが

「細部に神は宿る」

頑張って下さいませ。

kenta999

本日は興味深い話をありがとうございました。

※このインタビューは2006年に収録いたしました。




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